Jaffna Fish Curry

土曜日。アーティストランのギャラリー兼食堂Lavender Opener Chair/灯明で開催されたイベント、Asako Iwama『Fish Curry in Memory / Jaffna Curry』へ。アーティストの岩間朝子さんによる、スリランカスタイルのフィッシュカレーを食べることが出来た。

スリランカ北部に位置する都市の名を冠したカレーは、紛争によって故郷を逃れねばならなかった人々のアイデンティティや、社会学者としてかつてスリランカを訪れた岩間さんのお父さんの記憶とも結びついている。カレーと供に渡される2枚のポストカードには、そのお父さんが撮影したスリランカの写真と、スパイス配合のレシピ、カレーのレシピがそれぞれ印刷されている。このポストカード含め、食事の体験そのものが作品として捉えることができるのかなと思う。

岩間さんの料理、作品に触れるのは初めてだったけれど、後でインタビュー記事を読むと、もともと都市空間に関心を抱いていたと語っていて、なるほどなーと思う。アーティストユニットのL PACKがやっていることにも共通するけれど、食事を振る舞うことで、人が集まる場所を作ったり、空間を変化させることができるのは、"食"のすごい力だ。

食べるという行為はあまりにも日常化しているので(というより、生きるために不可欠なので)、対象化しづらいけれど、自分が食べたこのカレーを、時間も空間も違う誰かが食べていた(かもしれない)ということへの気づきは、意識の拡がりとして面白い。"食=文化"などの背景や、関連する社会問題などを考えはじめると果てしないけれど、「フィッシュカレーがめちゃくちゃ美味しかった!」という感動は、日付がスタンプされたポストカードと一緒に、ひとまず持ち帰ることができる。(ごちそうさまでした!)

ak.

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