June

Jaybe Lee

南青山に新しくオープンしたギャラリーSOOT にて、Jaybe Lee の個展『Pain is Just French for Bread』を観る。

彼とは、彼がTOKYO ART BOOK FAIRに何度か出展してくれていた縁で知り合い、今回の展示も連絡をくれた。これまでは写真の作品や本を発表していたので、今回は絵の展示と聞いて意外だったが、実際に絵を観ると、彼の写真にある雰囲気やリズム感と地続きにあるように感じられた。聞くと、コロナ禍で移動が制限されることで写真作品の制作が難しくなり、絵の制作を始めたそう。

自分が撮影した写真をプロジェクターで投影し、それらのイメージを絵の中に重ね合わせて描いている。イメージの重なり、色彩に不思議と懐かしい感覚を覚える。こうした絵を描くのがほぼ初めてと聞いて、こんなに迷いなく伸びやかに描けるものだろうかと驚いた。ビデオの小作品も、自身のアイデンティティについてのエピソードを語る声と映像が、絵と調和していた。数点の絵の一部に蛍光塗料を使っていたようで、お客さんが少なくなったときに照明を消して見せてくれた。ぼんやりと光る部分が可笑しかった。


OMSB

5月に出たOMSBのアルバム『ALONE』をなんとなく聴いたらすごく良かったので、何度も聴いている。そのうちに近く渋谷でワンマンライブがあるということを知り、ふと、行ってみようかな。という気持ちになった。そういう風に思うこと自体が久しぶりでもあったので、チケットを取る。期待通りとても良かった。チケットはソールドアウトで、満員のお客さんを前に本当に嬉しそうな笑顔で、何度も「マジでありがとうございます!」って言っていて、こちらも嬉しい気持ちになった。

ALONE』で歌われる、自分自身や環境、日々の生活、大きく言えば人生を、否定するでもなく、無理に前向きに捉えようとするでもなく、それを受け入れて、なんとかやってくよという態度に、あぁ、そうだよね、そうなんだよな、という気持ちになる。でもそれを共感とは言いたくなく、そうではなく、このままやってくしかないよな、それぞれが生きてくしかないよな、ああ、それも悪くないよな、という感じ。「だってそうじゃん」という言葉の繰り返しに、諦めと意志が重なり、希望を感じ、励まされる。“誰にもなれないし 自分の普通をやる毎日 仲間外れじゃなくて そこに居なかっただけ。だろ? 素晴らしき人生 いっそもう振り切って 死ぬまで付き合うよ だってそうじゃん?”

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